院長コラム
講演会参加報告:「閉塞性肥大型心筋症summit」

HOCM(肥大型閉塞性心筋症)の新しい治療薬「カムザイオス」についての研究会に参加しました
先日、HOCM(肥大型閉塞性心筋症)に対する新しい治療薬「カムザイオス(一般名:マバカムテン)」をテーマとした研究会に参加してまいりました。
私は基調講演の座長を務めるとともに、その後のディスカッションではディスカッサントとして登壇し、専門の先生方と活発な議論を行いました。本日は、その内容を患者さんにもわかりやすくお伝えしたいと思います。
HOCMとはどのような病気?
HOCM(肥大型閉塞性心筋症)は、心臓の筋肉が厚くなりすぎることで、心臓から血液が送り出されにくくなる病気です。
主な症状には、
- 動悸
- 息切れ
- 胸の違和感・胸痛
- 立ちくらみや失神
などがあります。
これまでは、β遮断薬やカルシウム拮抗薬といったお薬で症状を和らげる治療が中心でした。重症の場合は、カテーテル治療や手術が検討されることもあります。
新しい治療薬「カムザイオス」とは?
今回の研究会のテーマであった「カムザイオス」は、HOCMの原因そのものに作用する新しいタイプのお薬です。
HOCMでは、心臓の筋肉が“過剰に収縮しすぎる”ことが問題になります。
カムザイオスは、この過剰な収縮を適度に抑えることで、
- 心臓から血液が出やすくなる
- 心臓への負担を減らす
- 症状を改善する
ことが期待される薬です。
従来の薬が「症状を抑える」ことを目的としていたのに対し、カムザイオスは「病態そのものにアプローチする」という点が大きな特徴です。
研究会で議論されたポイント
基調講演では、臨床試験の結果や実際の使用経験について詳しい報告がありました。
ディスカッションでは、主に以下のような点について議論しました。
- どのような患者さんに最も適しているのか
- 効果判定をどのように行うか
- 心エコーでの慎重な経過観察の重要性
- 他の治療との使い分け
特に重要なのは、「適切な患者さんを選び、慎重に経過をみながら使用すること」です。
カムザイオスは非常に有望な薬ですが、心臓の収縮を抑える作用があるため、定期的な心エコー検査などのフォローが欠かせません。専門的な管理のもとで使用することが大切です。
患者さんへのメッセージ
HOCMの治療はここ数年で大きく進歩しています。
これまで「なかなか症状が改善しない」と悩まれていた患者さんにとって、新たな選択肢が広がってきています。
一方で、すべての患者さんにこの薬が適しているわけではありません。
症状の程度や心臓の状態によって、最適な治療法は異なります。
当院では、最新の医学的知見を踏まえながら、
- 現在の状態を正確に評価すること
- 一人ひとりに合った治療方針を丁寧に考えること
を大切にしています。
HOCMについてご不安のある方、現在の治療でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
これからも、患者さんにとってより良い医療を提供できるよう、最新の知識の習得と情報発信に努めてまいります。