院長コラム
講演報告:「院内発症肺塞栓症を防ぐ医療 :VTE対策が変える診療と安全文化」

先日、帝京大学にて「院内発症肺塞栓症を防ぐ医療:VTE(静脈血栓塞栓症)対策が変える診療と安全文化」というテーマで講演を行ってまいりました。
肺塞栓症は、院内で発症する重大な合併症の一つであり、適切な予防策が講じられなければ、突然の重篤化や生命に関わる事態を招くことがあります。一方で、VTEは“予測可能で予防可能な疾患”でもあり、日常診療の中での意識と仕組みづくりによって、その発症リスクを大きく低減できることが知られています。
今回の講演では、以下のポイントを中心にお話ししました。
・院内発症VTEの現状と課題
・予防(リスク評価の標準化)とその実践
・早期診断の重要性
・薬物治療の適応判断と安全管理
・多職種連携による継続的な対策の重要性
特に強調したのは、「VTE対策は個人の努力ではなく、組織文化として根付かせるべきもの」という点です。医師だけでなく、看護師、薬剤師、リハビリスタッフなど多職種が共通認識を持ち、同じ方向を向いて取り組むことが、安全な医療の実現につながります。
また、VTE対策の徹底は単に合併症を防ぐだけでなく、「患者さんの安全を最優先に考える文化」を醸成する重要な取り組みでもあります。こうした安全文化は、他の医療領域にも良い影響を与え、医療の質全体の向上につながります。
当院においても、最新の知見を取り入れながら、安全で質の高い医療の提供に努めてまいります。
今回の講演を通じて、改めて医療安全の重要性を共有できたことを大変意義深く感じております。
さらに、講演後には座長をお勤めいただいた横山教授のご厚意で食事会の機会をいただきました。VTE(静脈血栓塞栓症)対策をはじめ、心不全、AIを用いた最新の研究など循環器領域全般についてお話を聞くことができ、非常に有意義な時間となりました。日常診療の工夫から最新エビデンスの解釈まで、臨床現場に直結する議論ができたことは大きな刺激となりました。
このような機会をいただいた帝京大学の関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。