院長コラム
九州大学病院にて心肺蘇生講習会を開催しました
先日、**九州大学病院において、内科専門医を目指す先生方を対象としたJMECC(Japanese Medical Emergency Care Course)を開催**しました。
JMECCは、日本内科学会が主催する心肺蘇生・内科救急対応のための公式講習会であり、内科医として必須となる救急初期対応能力を体系的に習得することを目的としています。現在では、内科専門医制度において受講が必須とされており、全国で多くの内科医が受講しています。
JMECCの成り立ちとコースの特徴
JMECCは、「心肺蘇生だけでなく、内科医が日常診療や当直・救急現場で直面する急変に適切に対応できる力を身につける」ことを目的として開発されました。
コースでは、
- 心肺蘇生(BLS・ALS)
- ショック、急性冠症候群、脳卒中、呼吸不全などの内科救急
-
急変時のチーム医療とリーダーシップ
といった内容を、シミュレーターを用いた実践的トレーニングを通して学びます。
単なる知識の習得ではなく、「その場で判断し、行動できる力」を養うことがJMECCの最大の特徴です。
九州大学病院JMECCコースの立ち上げと継続開催


九州大学病院におけるJMECCコースは、新内科専門医制度開始に先立って準備し、立ち上げられました。
私は、その立ち上げ当初から開催権限を持つディレクターとして関わり、初回開催コース以降、これまで毎年欠かすことなくコースを開催してきています。
多忙な大学病院において、継続的に質の高いJMECCを開催するためには、
インストラクターの育成、運営体制の整備、指導スキルの向上が不可欠です。
これらを積み重ねながら、若手医師が安心して学べる教育の場を維持してきました。
これまでに多くの内科専攻医・若手医師が本コースを修了し、
それぞれの現場で救急対応の中心的役割を担っています。
地域医療と人材育成への想い
JMECCを通じた医師教育は、将来の地域医療を支える基盤づくりでもあります。
一人ひとりの医師が適切な初期対応を行えることは、救える命を確実に救うことにつながります。
当クリニックにおいても、こうした教育活動で培った経験を日常診療に活かし、
「いざという時にも安心して受診できる医療」を提供できるよう努めています。
今後も、診療とともに医師教育・人材育成にも継続して関わり、
医療全体の質の向上に貢献してまいります。