院長コラム
欧州心臓病学会において心房細動に関わる新知見を報告
8月27日〜29日までスペインバルセロナにて開催された欧州心臓病学会において心房細動に関わる新知見を報告しました。
本学会は例えば2020年で世界中から10万人をこえる参加者を迎えるような、循環器領域では世界一大きな学会です。
75歳以上の高齢者心房細動3万人もの追跡調査を行った我が国で行われた大規模研究(ANAFIE registry)のメンバーとして、2016年より仕事をしてきました。
その一部の患者さんでは、心エコーも行い、2年間にわたって心臓の形態・機能を評価し、その間の色々な病気の発症についても追跡してきました。
今回の発表では、心エコーのどのような指標が、のちの「心不全」「心臓・血管病」「脳梗塞」などの発症に関わるのか、ということに注目した解析データを報告いたしました。
”これまでの心不全の既往”や”年齢”よりも、心エコーでの”左心房の大きさ”や”収縮力”の方が心不全入院や心血管イベントにはより重要である、などの臨床上有用な知見を発信することができました。
論文化するまではデータを全てお伝えすることはできませんが、現在ESC HP上で上記情報は閲覧可能となっています。
これまでご協力いただきました全国の多くの先生方にも大変感謝いたします。
ちなみに、昨年に引き続きweb開催だろうと思って応募していたところ、学会から現地での発表を指示されてしまい、泣く泣く現地に赴くことは断念。
信頼のおける優秀な後輩へ発表を託しました。
今後は本発表を軸にさらなる解析を追加した上で、論文に仕上げていこうと思っています。